先日、買い物ついでに近所の河川を通りかかったら水位の上昇がみられ、増水が始まっていました。
バス釣りのトップシーズン開幕の合図とも感じるこの河川の増水は、バスアングラーにとって良くも悪くも状況を一変させる要因であるのはいう由もないでしょう。
スポーニングシーズンと重なる4月・5月はただでさえバスがナーバスになって空ぶる釣行が増えることに加え、さらに追い打ちをかけるように周囲の状況を一変させる水位の上昇。
私もそうですが、バスちゃんの居場所がわからずに増水当初は心が折れてしまうアングラーの方も多いと察します。
今回は、私にとって1年を通してめちゃくちゃ苦手な5月の釣りについて少し考えてみたいと思います。
ついに近所の河川が増水し始めた
ここで話題にするのは台風などに起因する河川の増水ではなく、この時期特有の田んぼに水を引くための水門調整による増水、つまり5月のゴールデンウィーク期間から全国的に始まる稲作を意味する増水です。
地方によっては気候の影響やお米の品種により田植えの時期が異なるところもあるようですが、私が住む関東地方ではおおむね5月の上旬~6月頃にかけて稲作が始まる農家さんが多いようです。
これに伴い秋から冬の期間に減水していた河川の水位がこの時期にいっきに上昇して満水域に達し、景色が一変するのが4月の後半。
バスアングラーさんの中には、減水中の方が釣りやすいという方もいれば、河川が増水した時の方が狙えるシチュエーションが増えるので釣りやすい、という方もいらっしゃり意見は両極端に分かれます。
皆さまはどうですか?
私は減水したフィールドで釣れたためしがないので増水した時の方が釣りやすいと感じています。
とはいうものの、増水したばかりのこの時期は水が濁っていて水流が強いしゴミは浮いているし、魚は散っていてどこにいるか皆目見当もつかないしで、やっぱり正直水質が安定しない5月は釣りにくい季節だと思っています。
そんな負のジンクスが今までずっと続き、毎年GWには必ずといっていいほどバス釣りに行くのですがほとんど釣れたためしがなく、どこのフィールドでも惨敗に終わり負の連鎖継続中です(笑)。
バス釣りだけじゃなくて、昔やっていたクロダイ釣りでもゴールデンウィーク中に釣れたためしがありません。
普通に海で投げ釣りやっても釣れませんでした!(笑)
5月の難所、「代掻き」
「代掻き(しろかき)」という言葉、バスアングラーの皆さまならこの時期、聞き慣れた言葉ではないでしょうか。
河川の増水とともに私たち釣り人を悩ませるのが稲作こと「代掻き」。
水質の濁りの原因ともなるこの「代掻き」は、農家の方たちにとっては1年の収穫量を左右するとても重要な作付け作業であることは言うまでもありません。
関東地方でも埼玉・栃木・茨城・群馬県などの比較的郊外にお住いのバサーの方なら、この農作業が釣り人にとって何を意味するのかはもう申し上げるまでもないでしょう。
そうです。
「代掻き」=「カフェオレ」
この最悪の方程式が、バサーのモチベーションを根こそぎ奪い去ります。
結果、スポーニングはおろか、「これじゃ、バスちゃんがルアー見つけられないんじゃないか?」と、河川の水質が濁り釣りに行く気力さえもなくなってしまうのがこの時期のバスフィッシングの特徴といえるのではないでしょうか。
「代掻き」とは、稲の作付けを行う前に田畑に水をためて、トラクターなどの耕運機で土を根こそぎ耕す農作業のこと。
稲作に限らず野菜などを栽培する際にも肥料などを施して畑を耕し、土を柔らかくして栄養分が均一になるように事前作業を施します。
稲作の場合にもこの「代掻き」により、肥料や農薬を均一に整地するというわけですね。
毎年5月頃になると田んぼにつながる河川の水門が調整され、増水した水が田畑に供給される仕組みが一般的です。
結果、水路などを伝って河川の本流などもカフェオレ状態となり、釣りにならなくなるのが5月頃のバスフィッシングの特徴といえると思います。
河川の増水に農薬の影響はあるのか?
一昨年頃でしたでしょうか?
茨城県の某河川において、夏ころに魚が大量死するというニュースが流れたのはまだ記憶に新しいところ。ご存知の方も多いかと思います。
当時のニュースは確か7月~8月頃だったと思うのですが(記憶が違っていたらすみません)、それが河川の生態系にどのような影響を与えて魚が大量死したのかは原因が定かではありません。
水中の酸素量が減ってしまったのか、農薬等の有害物質による影響なのか、水の濁りによるものなのかなど、さまざまな憶測が飛び交い世間をにぎわせましたね。
実際のところは、原因は何だったのでしょうか。
増水して「代掻き」の時期になると、田んぼに直接水を引いている河川の多くは、普段目にすることがないほど真っ白に濁り、どちゃ濁り状態になります。
そこに大雨が降ったりするとさらに激流となり、危険度が増して釣りどころじゃなくなることもしかり。
「代掻き」の時期ってトラクターで土を掘り起こす作業以外に、真夏に向けて除草剤などの農薬を田んぼに撒いたりもするらしいので、もしかするとそれらの有害物質が水路を伝って河川の本流に流れ込む、なんてことも少なからず起こりうる可能性があるのかもしれません。
もちろん農家の方たちは、毒劇物の資格を持ったプロフェッショナルですから、取り扱いの際は細心の注意を払っていることでしょうし、決められた規定量などを守って散布しているはずです。
ですが、例年のこの時期のカフェオレのような水質や、魚の亡骸が水面に浮いている光景を目の当たりにすると釣り人として、なんとなしに河川に与える農薬の影響について不安を覚えてしまうのは私だけなのでしょうか。
水中の溶存酸素量が少なくなると水が白く濁ることもあるそうです。
堆積物や土砂などの影響で水が濁ることが一般的であると思いますが、季節が進んで真夏になると気温の上昇とともに水温も上がります。
水温が上昇すると水に溶けることができる酸素量は少なくなり、よって溶存酸素量も減少して魚の生命を脅かす要因につながることも考えられます。
場合によっては増水していない河川もあり
関東地方の河川だと今の時期、増水し始めているところがだいぶん多くなってきました。
ですが先日、別のとある河川を見に行ったらまだ減水中のままの状態で泥底が丸見えのところもありました。
大雨が降ったりすると一気に水位が上がることも考えられますが、地域によってまちまちなのは少しがっくりしましたね…。
全国的にみると6月に入ってから田植えが始まるエリアや地域などもあるようなので、そういうところに隣接している河川や水路ではまだ増水していない可能性があります。
バス釣り河川の増水まとめ
梅雨になったら水の色も少し落ち着いてくるかもしれませんね!土手に降りる際は、マムシに注意です!
もうすぐ6月の梅雨時期に入りますが、いよいよ待ちに待ったバスフィッシングのトップシーズンといわれる季節に突入です。
私は5月の釣りがめちゃくちゃ苦手なので、正直この時期は毎年あまり釣れません。
釣りをするには涼しくて釣りやすい季節なので、景色を楽しんだり雰囲気を楽しんだり、はたまた地形の把握に努めるようにしています(笑)。
魚影の濃いエリアとかですと釣れる機会も増えるんでしょうけど、やはり濁りの少ない野池ですとか、入間川の上流域みたいな稲作の影響をあまり受けないようなフィールドで釣りをするのが一番いいのかな、と個人的に思っています。
ちょこちょこ釣りには行っているのですが、まだ全体的に甘噛みバイトでロッドにのらないコンディションが最近多い印象ですね。
スポーニングが絡んでいて難しいのか、それとも単なる水質が原因で食い渋っているのか、水温がまだ低いのか、この辺りの要因が複雑に絡み合うのが5月のバスフィッシングの難しさでもあり奥深さでもあるとつくづく感じます。
私が住んでいるところはめちゃくちゃド田舎で、わりと日常的に稲作の風景を至近距離で見る機会が多いので、今回このようなネタについて少し取り上げてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
▼これからの時期、おうち焼き肉がおすすめですよ
いよいよ代掻きがはじまり、稲作のシーズン到来です!